【 遊び 】

子ども達の生活の中心は「遊び」です。ではその「遊び」は子どもの成長にとって一体どんな意味があるのでしょうか?

「遊び」は、自分で見つけた課題を、自分なりの方法で、自分の力で実現・達成することのできる活動や体験です。そこには自己決定・自己選択・自己実現の機会がふんだんにあります。「やったぁ〜!」「自分でできた〜!」「僕もなかなかやるもんだ!」という達成感や自己肯定感を与えてくれます。

これが自分づくりの原点となります。「自分づくり」とは、自分の人生を自分のものとして主体的に生きる力の基礎づくりのことです。

自分の好きな遊び=自分で見つけた課題に没頭・専念・集中して、自分の力で実現を果たすという自己実現の体験=フロー体験から「僕は○○が得意だ」とか「私は△△が大好きです」という自分自身を肯定的に受け入れる意識=自己肯定感を自覚することができるのです。

この「自分はやればできる人間なんだ」という感覚を「遊び」を通してしっかりと自分自身の心の奥底にため込んでいくのが幼児期の子どもの大切な「仕事」なのです。

これが小学校以降になりますと「勉強」という形で外からの課題が次々とやってきます。「1年生では漢字をこれだけ覚えなさい」「2年生ではこれだけ、3年生ではこれだけ・・・・・」というように自分では決めることのできない課題が外から次々にやってくるのです。

この「外からの課題」に応える前提となるのが「内なる課題」への対応力を育む幼児期の「遊び」であり、そこから得られる「自分自身に対する信頼」なのです。

自分の課題を、自分で決めて、その実現に邁進・努力する体験の積み重ねが、やがて外から与えられた課題にも対応していく力へとつながっていくのです。このような自己実現体験が幼児期から小学校低学年にかけて最も必要とされる「学び」なのです。

もちろん我々大人も常に外からの課題に対してどう応えていくかが問われています。

人生を主体的に生きている人は「外からの課題」に対しても「今の自分ができる事は何か」という視点で自分自身の「内なる課題」として受け止め直すことができます。

子ども達には「遊び」を通して、自分の人生を主体的に生きる、生きる力にあふれる大人になって欲しいと願っています。

2011.11 園 長 井 上 亘